7月の言葉(流水無間断)



流水 に 間断無し



清らかな流水

 

絶えることなく流れつづけている


一瞬の中にある自然の永遠の姿をいい止めた語ですが、

 

間断することなく衰えることのない

 

不断の努力精進が大きな実りをもたらす

 

という深い意味がふくまれています。 

 


渓流 の 説法をきく


風呂谷自然宗佛國寺 横)


―――日本三大渓谷・伊勢大杉谷の山居生活は、

 

自然を正師とし、自然の説法をきき、自己を錬磨する道場です。

 

 

「流水に間断無し」

 

常に間断無く 流れる水の新鮮さと 活力に、

 

目に見えない「自然のはたらき」が感得されます。

 

 

水の流れという「自然」のたたずまいが、

 

そのままの姿で真理を告げている事実を、

 

禅者は現成げんじょうと呼んでいます。

 

 

現成げんじょうは、

 

現前(目の前に現れること)に る(完成している)ことで、

 

眼前の現象や事物が、

 

そのままのすがた 真理を完全に示している事実を言います。



人間、行路難し


―――水源の一滴の水が、沢となり、渓谷となり、

 

河となり、大海に流れこむまでには、

 

さまざまな困難につき当たります。

 

 

水の流れる水路も 曲がりくねっているように、

 

私たちの人生も、

 

また、行路難しで、世渡りはむつかしく

 

変転多事を経て 心が練れ人柄に深みが出てくるのです。

 

―――生涯修行

 


行脚の効能


行 脚 中
すれ違った方から送って頂いた、数少ない行脚中の写真


―――行脚で農山漁村を歩くと、

 

いくつにも折れ曲がっている道になります。

 

 

そうした場所で、村人に目的地へ行く道を聞くと、

 

「この道をにお行きなさい」と教えてくれます。

 


曲がった道真っ直ぐに歩け」とは、

 

曲がりやくねりに従って行くということです。

 

 

目的地をちゃんと胸に置いて、

 

紆余曲折に従って行くのを

 

「流れに随って、流れに任せず」といいます。

 

 

水は、あちらに流れ、流され、こちらに流される紆余曲折をたどることによって、

 

その間に、岩にしみこみ 土に深くしみとおるのです。

 

 

人生も様々な経験を経るうちに、人間味がだんだん深められてきます。

 

 


耐え、乗り越える力


――流水は障害物が大きく、

 

水の行手を完全に拒むなら、

 

それまでかなりの速度を保っていた急流も 止められてしまいます。

 

 

水は、それを乗り越えることができない とわかると、

 

瞬は水泡すいほうを湧き立てるものの、そこでじっと耐えます。

 

それもただ漫然と 無意味に耐えるのではなく、

 

この間に静かに力を貯えるのです。

 

 

耐えることは、

 

換言すれば「待つことのできる」機能です。

 

 

水には筋骨の力はないが、

 

障害の前で、じっと待って耐えて、

 

力と量とを貯え、その障害を乗り越えます。

 


流水は、耐えるだけでなく、

 

この間に貯えた力を持って

 

 障害を越えようとする努力

 

必要なことを教えてくれます。

 

 

これを仏教語で精進しょうじんといいます。

 


流水の教え


自然宗佛國寺「いのちの森」前 の 渓流


――― 流水は自分の進路を 自分で開き、

 

行く手の障害には、

 

しばし態勢を整えて 力を貯え、

 

障害を乗り越えようとする努力、

 

 

この姿勢が 人間

 

とくに  現代人に必要だ と教えてくれます。


令和2年 7月 1日              

        自然宗佛國寺 開山  こくけん もくらい 合掌


自然宗佛國寺:開山 黙雷和尚が、
行脚(徒歩)55年・下座行(路上坐禅)50年 、山居生活、で得たものをお伝えしています。

 

下記FB:自然宗佛國寺から、毎月1日掲載

 

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感謝合掌  住持職:釈 妙円


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