H30年 新年のご挨拶


松柏(しょうはく)千歳(せんざい)(みどり)にして (ひさ)しく(さか)


松や柏樹は

千年の緑を保つことから、


永遠の繁栄を願う、

おめでたい句とされていますが、

そこに、

松柏不断の真説法

 

聞けたならば、

いっそうめでたさも増すことと思います。


松柏の「柏」は、

柏餅(かしわもち)の葉をとる落葉(かつ)葉樹(ようじゅ)(かしわ)のことではなく、

 

常緑針葉樹の(びゃく)(しん)のことをいいます。


松柏(しょうはく)千歳(せんざい)(みどり)にして久しく栄ゆ」の句は、

松柏の寿命が長いことを強調したものですが、―――

とはいっても、

松柏の緑は、

春には新しい芽をふき、

古い葉は、

 

枯れて散っていきます。


常に移り変わりながら、

新旧を超えて

千古変わらない生命がそこにあります。


まったく変わらないならば、

造花といっしょです。


日々新たなものがあってこそ、

常に変わらざる姿を保つことができます。


常に変化しながら、

しかも変化しない

 

 

動きながら

しかも不動

そこに不滅の生命が輝いています。


 



松柏千年

 

今日も新たな若葉なり


平成三十年 元旦


  開 山  ()(こく)(けん)  (もく)  ()

 住持職   しゃく    みょう えん

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